日本の建築家や建築技術者、都市計画者は世界中で活躍しており、人類の文化創造に貢献していますが、そこには幅広い知識に加え、深い倫理観が求められています。また、世界でも有数の地震国である日本では、耐震性の高い、安全な建築物・都市を設計する技術が求められています。さらに、近年では、地球環境問題の深刻化にともない、環境に優しい建築物・都市をつくり良質な居住環境を形成するための技術が必要となっています。
このような状況の中、広島大学工学部第四類建築プログラムでは、様々な社会的要請に応える建築物・都市環境を創出するために、建築構造や建築環境などの工学技術だけでなく、建築設計や計画、建築史、都市計画、さらには芸術や人文・社会科学に至る幅広い分野の教育・研究を進めています。また、建築設計製図や実験といった、ものづくりの実践演習を通して、建築家・技術者・研究者としての素養を身につけます。
工学的技術の進歩により、多様な側面を一人で全うすることが現代では困難になっていますが、これらの学習を通じて、建築に関するいずれかの分野における高い専門性を持ち、あわせて分野横断的な能力を有する建築家・技術者・研究者を排出しています。
とりわけ広島においては、平和な生活環境を創造するための知恵が集積されています。建築プログラムでは、それらの資源を活かし、平和の実現に貢献する建築・都市の創造に向けた教育・研究を進めており、他大学にはない特徴のひとつとなっています。